「高価=万能な木材」は間違い⁉︎天然木フローリングの価格が何で決まるか、木材のプロが解説!
天然木フローリングは「高価=機能性が高い」と思われがちですが、実はすべてがそうではありません。
フローリング材の価格は、無垢か複合か、グレード、サイズ、塗装の有無まで、さまざまな要素が組み合わさって決まります。
ポイントは「最高値の木材が、あなたにとっての『正解』とは限らない」ということ。
この記事ではフローリングの価格を左右する比較軸と、樹種別の相対的な価格イメージを整理していきます!
- 床材は「価格だけ」で選んではいけないって本当?
- フローリングの価格って何で決まるの?
- 樹種ごとに価格帯を分けるなら、ざっくりどんな感じ?
この記事を書いた人
Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。
フローリングを“価格だけ”で選ばない方がいい理由
高価な木材が、理想の空間に直結するわけではないから
フローリングを選ぶ際、ついつい「予算をかければかけるほど、満足度も上がる」と考えがちですが、実はそこに落とし穴があります。
冒頭でもお話した通り、たとえ同じ樹種であってもグレードや仕上げ塗装の有無によっても価格は大きく変わります。
たとえばグレード。
木目がくっきり出ている「節ありグレード」は、節なしと比べると比較的手に取りやすい価格帯であることが多いです。レトロなカフェや、ナチュラルテイストを重視する商業施設では、節ありの方が調和するケースも少なくありません。
価格差は「品質差」ではなく「希少性」
木材の価格差は“品質の優劣”というよりも「希少性」や「選別工程」によるものが大半です。
たとえば「節なし材」は見た目が均一である分、取れる割合が少なくなります。その為価格が上がる傾向にあります。
同じ樹種であれば、見た目以外の性能差はほとんどなく、節あり材でも耐久性に大きな差が生まれるわけではありません。節あり材であっても構造的な強度や耐久性が劣るとは限らないのです。
「価格の差=品質の差」とは限らない。まずはこの点を覚えておきましょう。
価格ではなく「叶えたい空間」で選ぶ
価格帯で樹種を選ぶ方もいらっしゃいますが、当社では樹種を選ぶ前に、まず「何を叶えたいか/どんな空間にしたいか」を明確にすることを推奨しています。
温かみを重視するのか、耐久性を重視するのか、高級感を求めるのか。
その要望に合う樹種・仕様を探し、そのなかで予算と照らし合わせます。
価格帯で決めてしまうと「高いものを選んだのに、要望に沿えていなかった」「この内装に必要な機能性を満たせていなかった」という失敗が起きやすくなってしまうのです。
当社ではお客様のご要望と予算をお聞きした上で、最適なフローリング提案をサポートいたします。
「予算オーバーだから安価な樹種で妥協」ではなく、
- 予算内で無垢にこだわるために、代替案を出す。
- デザイン性を担保しつつ、どうにか叶えられないか検討する。
設計士・デザイナーの皆様が考え抜いた意匠を、知識と経験を活かして叶えていくことが私たちの使命です。フローリング選びでお悩みなら、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
以下記事では、店舗デザインにおける「フローリングの選び方・考え方」をより詳しくまとめていますので、今まさに悩んでいる…という方はぜひこちらもご覧ください!
フローリングの価格はどのように決まるの?
ここからは、価格を左右する主な比較軸を整理していきましょう!
1. 構造上の違い…無垢と複合による価格差
まずは「無垢フローリング」と「複合フローリング」の違いから見ていきます。無垢フローリングは100%天然木でできた、切り出したままの床材です。
木の質感をそのまま楽しめるのが最大の魅力で、経年変化による味わいの深まりも感じられます。
一方、複合フローリングは合板などの基材の上に木材を貼り合わせたもので、厚みは2mm~4mm程度。無垢に近い質感を持っているのが特徴です。
【注意点まで徹底比較!】無垢or複合フローリングの違いは?床材の選定基準をプロが解説!
新居建設やオフィス改築など、さまざまなシーンで「天然木を活用した床材」が選ばれることが多くなってきました。その中で、当社でも「無垢・複合フローリングって何が違うの?」というご質問をよくいただきます。 そこで本記事では、無垢・複合(合板)フローリングの違いから、それぞれのメリット/デメリットを詳しく
「床暖対応」など、複合ならではのメリットも

複合フローリングは床暖房対応の製品が多くあります。反りや収縮のリスクが小さいというメリットもありますね。
無垢フローリングは一枚板ですので、床暖房対応の製品にしてしまうと温度変化の影響をダイレクトに受けてしまい、それが伸縮や反り・割れの原因になります。
「予算をかけられるなら無垢一択!」ではなく、叶えたいデザイン、求める機能から逆算して「この案件に最適なのは、無垢と複合のどちらか」を検討することが大切です。
2. 樹種の違い…広葉樹と針葉樹の価格差
樹種は大きく「広葉樹」と「針葉樹」に分けられ、この違いも価格に影響することがあります。
たとえば針葉樹(スギ、ヒノキ、パインなど)は、成長が早く植林も盛んなため、安定供給が可能で価格も抑えられています。
逆に広葉樹(オーク、ウォールナット、チェリーなど)は、硬く重厚で表面強度・耐久性に優れていますが、成長が遅く希少性が高いため、価格も針葉樹より高価になるケースが多いです。
価格感としては『広葉樹 > 針葉樹』となる傾向にあります。
ただしこちらも「広葉樹=高品質、針葉樹=低品質」ではありません。
柔らかい針葉樹は素足で過ごす場所に向いており、ご家庭では寝室やリビングなど、商業施設ではお子様連れの方が利用される遊戯スペースなどに採用いただくケースもあります。
こちらも用途やご要望によって樹種の最適解が異なると認識いただければと思います。
3. グレードの違い…節あり/節なしの価格差

グレード(等級)は、節の有無や木目の揃い具合などで決まり、「節がないほど高価」になります。
節なし材は、木目が整い上品な印象を与えますし、節あり材は自然でラフな表情が魅力。価格が手頃なだけでなく、最近では「あえて節ありを選ぶ」という方も増えています。
見た目は変わるが、「強度」に差はない
ここで覚えておきたいのは、グレードによって強度や耐久性に差はないということ。グレードで変わるのは主に見た目と価格です。
「見た目の好みと予算のバランスで選べばOK」と覚えておきましょう!
無垢フローリングにおすすめの木材の選び方は?
価格を左右する要素を理解した上で、ここからは機能性を加味した木材の選び方を整理します。
繰り返しになりますが、「価格の高さ」はあくまで市場の供給量によるもの。性能の優劣を示すものではありません。あくまで参考としてご覧いただければ幸いです。
【導入しやすさで選ぶなら】「ユニ材」の選択を視野に

ユニ(UNI)とは、短い木材を縦方向(長さ方向)に繋ぎ合わせ、1枚の板(一般的に約1820mm)に仕上げた無垢フローリングのことです。
繋ぎ部分は両手の指を交差させたような合わせ方をするため「フィンガージョイント(FJ)」と呼ばれることもあります。
ユニ材は無垢材の質感や、天然木ならではの“おしゃれさ”を楽しめるのはもちろんのこと、様々な長さでつなぎ合わせて製造するため、木材のロス(端材)が出にくく、一枚ものの無垢材(ソリッド材)よりもお手に取って頂きやすいのが特徴です。
天然木の風合いや経年変化だけでなく、導入のしやすさも重視したい内装には、樹種だけでなく、ユニやフィンガージョイントのような「仕様」も選択基準のひとつに入れていただくことをおすすめします。
当社製品の導入事例(採用フローリング:ナラCD FJ)

ナラCD FJ(フィンガージョイント/オイル特注色)とヴィンテージ仕上げのオーク(乱尺)を採用したオフィスデザイン事例です。
ヴィンテージ感漂うオークをバランス良く貼り分けることで、それぞれのフローリングの表情を引き立てながら整った印象の空間に仕上げています。
短尺材だからといってデザイン性や機能性が落ちるわけではありません。事例のように、張り分け方や、他樹種と組み合わせ方次第で、天然木が持つデザイン性を最大限活かした内装に仕上げることが可能です。
「無垢フローリングにしたいけど、予算に限りがある」という内装には上記のようなフィンガージョイント仕様もご提案可能です。ぜひご相談いただければと思います。
デザイン:株式会社FLOOAT
施工会社:株式会社エス・ピー・ディー明治
著作権:@TANK Co., Ltd
【価格+機能性の両立なら】ナラ・カバザクラを推奨


ナラやカバザクラといった広葉樹は、性能と価格のバランスが取れた樹種です。
たとえばナラは重硬かつ頑丈で世界的に人気の高い広葉樹です。美しい虎斑(とらふ)模様やはっきりした年輪が特徴で、経年で飴色に深みを増すため長く愛用できます。
フローリングの定番素材であり、どんなインテリアにも合わせやすい汎用性の高さも魅力です。
カバザクラは、優しくきめ細やかな木目と淡いピンク〜淡黄褐色の色合いが特徴です。木目が穏やかで上品な印象があり、店舗のダンスフロアにも使われる「耐久性」と「美観」のバランスが取れた樹種です。
ここまで『性能と価格のバランスが取れた樹種』と紹介しましたが、値段の感じ方には個人差がありますし、導入いただく案件によっても、どれくらいの価格が「高い」のは異なると思います。
ナラやカバザクラは高い機能性を持ちながらも、最高級ランクの樹種ではない(後述するウォールナット等より手に取りやすい)というイメージを持っていただくのが良いかと思います。
当社製品の導入事例(採用フローリング:ナラ150幅CD)

▲au style SENDAI / BLUE LEAF CAFE
モダンなカフェデザインをナラ材で実現。150幅のワイドな無垢板を採用することで、スペースの広さを床から感じさせる内装デザイン事例です。
本来、無塗装のナラは明るい色合いですが、暗めの塗装を施すことで、引き締まった「大人の空間」漂う内装デザインになっています。
天井や壁には、同じく当社ナラの不燃突板を採用することで、飲食店で求められる「内装制限」に対応した仕様となっています。
デザイン:Degins JP Inc.
施工会社:株式会社乃村工藝社
著作権:©矢野紀行写真事務所
【高級感溢れるデザインなら】ウォールナット・チーク


▲インドネシアチーク ヘリンボーン(無塗装・無垢フローリング)
ウォールナット・チークは、フローリング材の中でも“高級材”に分類されます。原産地が北米や東南アジアなど海外産であることや、成長が遅く、大径木が少ないため産出量が限られています。
また世界的な需要も高く伐採制限もあるため、希少価値が高いことが高級材とされる最大の理由です。
ちなみにウォールナット(ブラックウォールナット)は、チョコレートブラウンの深みある色合いと美しい木目が特徴的な木材。
施工直後から落ち着いた高級感があり、「贅沢で洗練された空間」を演出したい方に選ばれています。
チークは、油分を多く含み耐久性・防虫性もトップクラス。また「木の宝石」と称されるほど美しく、使い込むほど渋い艶が出てきます。
これらの樹種は「暮らしとともに育つ床」として、高級ホテルや店舗に採用されています。
当社製品の導入事例(採用フローリング:インドネシアチーク・ウォールナット)

当社インドネシアチークヘリンボーンの無垢フローリング、複合フローリングは床暖ウォールナットを採用したオフィス事例。
事例写真2枚目のようにヘリンボーン(ハの字型)で貼り合わせることで、チークならではの色ムラをあえて「おしゃれな濃淡」として演出しています。
また当社の複合フローリングはすべて、天然木の挽板を貼り合わせて製作しているため、無垢に引けを取らないデザインを複合で実現しています。
当社フローリングの特徴については、こちらのページをぜひご覧ください。
関連ページ:『当社の天然木フローリングについて』
デザイン会社:株式会社FLOOAT
施工会社:株式会社 アーキテクト・K
著作権:©Nacása & Partners Inc.
まとめ:要望に合ったフローリングを選ぶために
フローリングの価格は、樹種・構造・グレード・サイズなどさまざまな組み合わせで決まります。価格という物差しを一旦横に置き「どんな空間で過ごしたいか」という軸で選ぶことが大切です。
- 価格差は品質差ではなく「希少性」から生まれる
- 「無垢vs複合」「広葉樹vs針葉樹」「各グレード」で価格が違う
- 価格ではなく、叶えたいデザインからの逆算が大切
“天然木ならでは”の機能性を、最大限に活かしたデザインを。

フローリングは『空間体験そのもの』を左右するもの。
内装を一層おしゃれに仕立てる天然木フローリング。木材はデザインだけでなく、調湿性や強度、肌触りなど合成素材にはない魅力がたくさん詰まっています。
木材の“ほんの僅かな違い”を知って、納得いただいてから導入いただきたいと考えています。
当社ではご注文前にフローリング商品の「無料サンプル」もご請求いただけますので、樹種選びのご相談から無料サンプル(5点まで)のお取り寄せまで、ぜひお気軽にお問い合わせください。
法人向けの取引中心の為、個人・施主様はデザイン事務所や工務店を通してサンプル依頼をお願い致します。
当社の提供する天然木フローリングの特徴については、ぜひこちらのページもあわせてご覧ください。
この記事を書いた人
Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。