ヒノキ(桧・檜)の特徴を徹底解説!杉や欅との違いや内装木材としての活用例をご紹介!

内装制限がある空間で天然木を使いたいけれど、内装制限(防火規制)をクリアできる素材が見つからない。
そんな悩みを抱えている設計者の方も多いのではないでしょうか。
実はヒノキの不燃突板(不燃ボード)がその課題を解決できます。建築基準法の内装制限がある空間でも、木の温もりを取り入れることができるようになったのです。
この記事では、オフィスや商業施設の内装を手がける設計士・デザイナーの皆様に向けて、ヒノキの不燃突板がプロジェクトに適しているかを判断できる明確な基準をご紹介します!
不燃突板の専門メーカーとして培った知見をもとに、技術データからコスト、法規適合性までを「プロジェクト適性診断」の形で詳しく解説していきます!
この記事を読めば、以下の疑問が解決します!
- ヒノキの基本物性と他木材との性能差
- プロジェクトへの適性を判断する具体的な基準
- 不燃材としての法規適合性と技術仕様
- 設計・施工時の注意点とメンテナンス計画
- 実際の商業施設での採用事例と効果
プロジェクトの詳細やご予算をお聞かせいただければ、ヒノキ不燃突板の最適なソリューションをご提案いたします。カットサンプルもご用意しています。
この記事を書いた人

Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。
ヒノキ(桧・檜)とは?
ヒノキは、ヒノキ科ヒノキ属常緑針葉樹に属する日本特産の代表的な樹種で、本州から四国・九州、屋久島に至るまで、日本のあらゆる地域に分布しています。
黄味がかった明るい木肌や、リラックス効果の高い香りが特徴的で、気乾比重(木材の密度)は0.4程度と非常に軽く、加工がしやすい一方で圧縮・曲げにも強いため、かつては「最高級の構造材」と呼ばれ重宝されました。
そもそも:針葉樹って何?
ヒノキも分類されている針葉樹ですが、一言で言えば「針のように細い葉を持つ木」のことを言います。
針葉樹は縦方向への成長能力が高い=木材として安定した長さを確保できることから、住宅の柱や天井材など建物の基盤となる部分によく利用されています。対照的な樹種に「広葉樹」がありますが、針葉樹と広葉樹は見た目だけでなく、木材としての特性も変わってきます。
針葉樹と広葉樹の違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

広葉樹・針葉樹の違いは?内装材としてオススメの樹種まで詳しくご紹介!
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ヒノキは日本の固有種!
先述したように、ヒノキは天然分布が本州の福島県以南、四国・九州・屋久島までに限られており、日本にしか自生していない固有種として知られています。同じヒノキ属でも北米や台湾に他の類縁種はありますが、天然のヒノキは日本にしか自生していません。
同じ日本の固有種としてはサワラやスギが知られています。
ヒノキの種類も複数ある!
それからヒノキには産地ブランドがあり、それぞれ気候と施業の違いによって質感が変化します。
1:木曽(きそ)ヒノキ
木曽ヒノキは長野県木曽地方もしくは岐阜・愛知県境に分布する天然ヒノキで、秋田スギ・青森ヒバと並び「日本三大美林」のひとつに数えられています。
江戸時代には「木一本に首一つ」「枝一本に腕一つ」という厳しい伐採規制で守られ、現在では樹齢200年、直径120cmに及ぶ個体もあると言われています。
他のヒノキと比べても年輪が細かく、香り高いのが特徴で、淡黄白色の美しさから神社仏閣用木材として評価される最高品質のヒノキです。
2:吉野(よしの)ヒノキ
吉野ヒノキは奈良県吉野地方で産出される国産ヒノキで、木曽ヒノキと並ぶ銘木として知られています。
1ヘクタールあたり8,000本~12,000本と高密度で植栽されているため年輪が細かく、頻繁な枝打ちによって節の少ない上質材として呼び声が高いブランドヒノキです。
一般的に70~100年生のものが多く、木曽ヒノキに次いで神社仏閣や高級住宅の梁などに重宝されています。
3:天竜(てんりゅう)ヒノキ
天竜ヒノキは静岡県浜松市天龍地域を中心に育成される国産ヒノキで、吉野・尾鷲と並び「日本三大人工美林」の一つとされる天竜林の主力材です。
急斜面で育つため生育はゆっくりですが、植林・枝打ち・間伐等の管理が徹底して行われることでできる緻密な年輪と美しい木目が評価されています。
4:尾鷲(おわせ)ヒノキ
尾鷲ヒノキは三重県南部の尾鷲地域を代表するヒノキ材で、天竜ヒノキと同じく日本三大人工美林の一つに数えられています。
急峻な地形と痩せた土壌、温暖多雨の気候でゆっくりと成長することで作られる赤味の強い木肌が特徴です。
こちらも密植と間伐・枝打ち技術で無節で均質な材が多く、銘木として建築・家具用材に重宝されています。
5:紀州(きしゅう)ヒノキ
紀州ヒノキは和歌山県・熊野地方を中心とした紀伊半島一帯で生産されるヒノキです。
他のヒノキと比べて油分が多く、精油やアロマとして人気が根強いブランドヒノキですが、油分のおかげで湿気や害虫にも強く、艶のある木肌が評価され、柱・梁、土台など構造材に使われるケースもあります。
【Topics】「桧」と「檜」はどっちが正しい?
ここで表記に関する豆知識をご紹介します。
ヒノキを表す漢字は「桧」と「檜」の2つがありますがどちらが正しいのでしょう。結論から言うとどちらも正解です。 檜は旧字体、桧は新字体という程度の違いがありますが、使い分けの明確な決まりはなくどちらを使っても間違いではありません。
一部では、「檜」を天然木、「桧」を植林材とすると言われることもありますが、当社では新字体の桧を統一して使用しています。
ヒノキの特徴は?
ヒノキを内装材として検討する上で欠かせない、強度や寸法安定性といった基本物性データを提示します。その上で、意匠性・機能性のメリットと、コストやメンテナンス等のデメリットを客観的に解説していきます。
特徴1:ヒノキの強度と断熱性
ヒノキは比重約0.42と軽量で、強度としては木材の中でも「中程度」です。
少し専門的な数字にはなりますが、曲げヤング係数は平均約8.8GPa、曲げ強さ74MPa、圧縮強さ39MPaと、国産スギよりやや高い水準で平均すれば“杉より丈夫”とされています。乾燥収縮率は接線方向約0.23%・放射方向0.12%で、無垢材として標準的な寸法安定性を持ちます。収縮の偏りはありますが、大きな狂いは少ない部類です。
また熱伝導率は約0.095W/mKと低く、コンクリート等に比べ断熱性に優れます。これは木材一般の特徴で、木材は内部に空気を多く含むため熱が伝わりにくい素材なのです。
こうした物性データは、ヒノキが軽く扱いやすい割に強度があり、断熱性も高いことを示しています。内装材として採用する際は、これらの特性を活かした設計が可能です。

木材強度・硬さは「気乾比重」で分かる!内装材の選定ポイントも踏まえて解説!
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特徴2:ヒノキの“香り・調湿効果”で空間の質を向上!
ヒノキは淡い乳白色〜淡紅色の木肌と緻密な木目を持ち、上品で明るい空間を演出できます。
香り成分(α-ピネン、ボルネオール等)を多く含み、その芳香には科学的にリラックス効果が認められています。実験ではヒノキの香りを嗅いだ被験者の脳血流が減少し副交感神経が優位になるなど、生理的にリラックスする反応が確認されています。
またヒノキなどの天然木は調湿効果にも優れ、室内の湿度を吸放出して結露やカビを抑えます。経年変化では木肌に深みが増し、美しい飴色に変化していくため「経年変化」を楽しめる素材でもあります。
さらにヒノキは耐久性(耐朽性)が非常に高く、シロアリなどにも強い芯材を使えば百年以上保てることも実証されています。法隆寺の古材が1300年耐えている例は、その耐久性の高さを物語っています。
こうした意匠性・機能性の高さゆえ、ヒノキは和の高級空間やリラックス目的の施設で特に重宝される木材なのです。

無垢材の「経年変化」について|内装木材でも強度・腐敗の心配はない?
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ヒノキのデメリットと効果的な対策法
ヒノキには材料コストが高めというデメリットがあります。
スギに比べ市場価格で1.5倍前後になり、対策として突板化粧板の利用が有効です。化粧板であれば無垢材の1/3程度のコストでヒノキの風合いを楽しめます。
また硬度の低さにより、床や腰壁などでは汚れや傷が付きやすいという弱点があります。対応策として、壁や天井など直接荷重や摩耗のかからない部分に採用することをお勧めします。
樹脂(ヤニ)や色変化の問題もあり、温度変化で樹脂が表面に滲出することがあります。対策として充分乾燥させた木材の使用やクリア塗装での封止が効果的です。
表面仕上げでカバーする方法として、ウレタン塗装やマットクリア塗装で表面硬度を上げることで耐傷性・耐汚性を高められます。これにより、ヒノキの美しさを保ちながら実用性も確保できます。
スギ・ケヤキとの違いは?
スギやヒノキも日本を代表する樹種でヒノキと似たような特徴があります。ここではヒノキとスギとの違いはもちろん、どんな場面でヒノキを活用すべきなのか?を詳しく深ぼっていきます!
まずはそれぞれのスギ・ケヤキとヒノキの違いから見ていきましょう。
スギとの違い
ヒノキと同じ針葉樹で、黄味がかった明るい色味も似ているスギですが、コストに違いがあります。
ヒノキは伐期45~50年なのに対してスギは伐期35~40年とサイクルが早く、市場価格でもヒノキの方が「2倍」ほど高い傾向にあります。
ただしその分「調湿性」が優れており、湿気が発生しやすい室内や温泉施設などではヒノキを採用される設計士の方が多くいらっしゃいます。
スギについてはこちらの記事で詳しくまとめていますので、ヒノキと比較する際にぜひご覧ください。

杉材(スギ)とは?内装材としての特徴や「導入前に知っておくべきポイント」を解説!
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ケヤキとの違い
ヒノキやスギと並び「和」を代表する高級材に数えられるのがケヤキ(欅)ですが、質感は対照的です。
まずは見た目からです。ヒノキは淡い黄白色の木肌ですが、ケヤキは黄味から赤味がかった褐色で、力強い木目と光沢が際立ちます。空間に“重厚感”や“一点物の存在感”を求めるシーンで映える木材です。
そして硬さも、ヒノキの気乾比重がおよそ 0.41 で軽く加工しやすいのに対し、ケヤキは 0.69 と約2倍近く重く、手工具では歯が立たないほど硬質です。
そのため、ヒノキは軽さ・耐水性を活かした柱や浴槽、フローリングに使われるシーンが多い一方で、ケヤキはその重厚さからカウンター(一枚板)など「ここぞ!」といった主役級の部材として好まれます。
ケヤキについてはこちらの記事で詳しくまとめていますので、ヒノキと比較する際にぜひご覧ください。
関連記事:『仏閣の柱や船舶材にも⁉︎欅(ケヤキ)材の特徴やメリット・デメリットを解説!』
ヒノキ | スギ | ケヤキ | |
---|---|---|---|
分類 | 針葉樹 | 針葉樹 | 広葉樹 |
色味 | 淡い黄白色 | 黄味がかった明るい色 | 黄〜赤褐色で濃い |
硬さ (気乾比重) | 約0.41(加工しやすい) | 約0.38(柔らかく割れやすい) | 約0.69(非常に硬質) |
伐期 (育成サイクル) | 45〜50年 | 35〜40年 | 60年以上 |
代表的な用途 | 柱・浴槽・フローリング | 内装材全般 | カウンター(一枚板)・寺社柱・船舶材 |
空間イメージ | 高級感+清潔感 | 和やかで素朴 | 重厚感・一点物の存在感 |
プロジェクト適性診断:ヒノキ採用の判断基準を明確化!
当然ですが、すべてのプロジェクトにヒノキが最適とは限りません。
このセクションでは「予算・求められる機能性・デザインコンセプト」といった観点から、ヒノキ採用の向き・不向きを判断するための診断リストを提供します!
“ヒノキの良さ”を発揮するプロジェクト
高級感やリラックス感を重視する空間では、ヒノキの採用が特に効果的です。ホテルのスイートルーム、旅館の客室、温浴施設、スパ、高級レストランの個室、料亭などが該当します。
耐水・耐久性を求められる浴室やサウナの内装でも、ヒノキは浴槽材として定評があり、防菌・防腐効果でカビが生えにくい特性が活かせます。
人のストレス軽減や健康増進を図る医療・福祉施設では、ヒノキの香りや調湿性が居心地の良さにつながり、利用者の満足度向上を後押しします。
建築基準法の内装制限が課題となる案件では、ヒノキの不燃処理板を使う意義が大きいです。天然木の温もりを保ちながら、基準をクリアできるからです。
ヒノキ採用を検討すべきケース
予算が限られている・メンテナンスが難しいプロジェクト
予算が限られている案件では、ヒノキ材のコストの高さがデザインネックになる可能性があります。突板化粧板の利用でコストを抑えることも検討できますが、それでも一般的な内装材よりはやや高価になります。
またメンテナンスに手間をかけられない施設(チェーン店舗など)では、汚れや傷への対応・定期再塗装が後回しになる可能性がありますので、このような場合はより耐久性の高い木材(特に広葉樹)の検討をお勧めします。
「高級感」寄りでデザインしたいプロジェクト
デザインコンセプトが「ラグジュアリー・モダン系」のケースでは、ヒノキの温かみはテイスト不一致になりかねません。大面積を一様な木仕上げにする余裕がない場合は、一部アクセントとして使う選択もあります。
ヒノキを選ぶ前に|注意すべきポイントは?
このようにヒノキならではの特長で様々な用途で使われてきましたが、それでも注意すべきポイントがないわけではありません。採用する前に一度確認しておきましょう。
傷やへこみが付きやすい
先述したように、気乾比重値が低いヒノキは家具の足やペットの爪、ちょっとした落下物で傷・凹みが付きやすいという欠点があります。
硬質ウレタン塗装を施して表面硬度を挙げる方法もありますが、ヒノキの魅力である手触り・足ざわりの良さが半減してしまうので「土足前提の床材には使わない」「天井や梁などの手が届かない構造材に使う」など、採用箇所には気を配る必要があります。
ヒノキの香りが苦手ではないか確認しておく
先にも述べた通り、ヒノキは木そのものの香りをより楽しんでいただけますが、中にはその香りが苦手と感じる人もいらっしゃいます。
特に壁材や天井材としてお部屋全体を囲う形になる場合は、その香りもより感じやすいため「そもそもどのくらいの香りなのか?」を事前に確認しておくようにしましょう。
ヒノキの「明るさ」が空間デザインとマッチしているか?
これはヒノキに限った話ではありませんが、建材に木材を使用する場合には、「その部屋の雰囲気と木材の色味がマッチしているか?」を確認する必要があります。
今回の場合だと、ヒノキは白く明るい板色となっていますので、明るく涼しげな雰囲気を演出するのに打ってつけですが、逆にシックでモダンなお部屋の雰囲気は演出しづらい木材となっています。
このように、自分がデザインしたいお部屋の雰囲気との整合性で樹種を選ぶようにしましょう。
ヒノキが最適かわかる10の質問
ここまでヒノキの特徴について様々解説しましたが、「結局ヒノキを採用すべきか?」でお悩みではないでしょうか。
ここからは以下の10項目について、Yes・Noで答えてみてください。「Yes」の数でプロジェクトにヒノキを適性度を判定します!
- 「内装制限(不燃材義務)がある空間での採用」を検討している
- 「高級感」や「落ち着きのある空間づくりを」求められている
- 木の温もりや和風テイストの要求がある
- 予算に一定の余裕がある(一般的な内装材より高価でも問題ない)
- 湿気の多い環境での使用を予定している
- 空間に意匠的なアクセントが必要
- 定期的なメンテナンス計画を立てられる
- デザインコンセプトが「温かみ」「自然」「和風」のいずれかに該当
- 他施設との差別化や独自性を求められている
- プロジェクトにストーリーやブランド性を持たせたい
7〜10個…相性良好:ヒノキの採用を積極的に検討してOK!
4〜6個…条件付き有効:「用途・場所」を限定しての採用を推奨!
0〜3個…優先度低め:類似するの木材(杉やナラなど)の採用も視野に!
設計・施工の実践ガイドとメンテナンス計画
素材の採用を決定したら、次は設計と施工です。
ここでは、ヒノキ材の特性を最大限に活かすための設計上のポイントや、美しさを長く保つためのメンテナンス計画について、専門メーカーの視点から解説します!
照明設計で“ヒノキの美しさ”を引き出すレイアウトに
ヒノキのはもともとが明るい木材ですから、特に照明や自然光の色温度・角度によって表情が変わります。
暖色系の間接照明を当てれば木目の陰影が柔らかく浮かび上がり、より美しく見せることができます。
ヒノキは紫外線を吸収し反射しにくい性質があり、照明による眩しさを軽減する効果があります。これにより、目に優しい快適な空間づくりが可能になります。
▲昼間の明るい和モダンな雰囲気 |
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上はヒノキに似た針葉樹の「セン材」を用いた設計事例ですが、昼間と夜間のライトアップで全く印象が異なることがわかりますよね。
このように「和の雰囲気」と「少し洋風なデザイン」を照明によって切り替えられるのもヒノキや針葉樹のポイントです。
「メンテナンス計画」と「補修方法」も把握しておく
ヒノキのメンテナンスは「拭き取り」でOK!
日常の清掃では、乾いた布やモップでほこりを除去し、必要に応じて固く絞った雑巾で木目に沿って拭き掃除を行います。薬剤系クリーナーは塗装を剥がす恐れがあるため、中性洗剤を薄めたものを仕様し、アルカリ性や漂白剤は使わないようにしてください。
傷がついてしまった場合、浅いへこみ傷なら湿らせた布を当ててアイロンをかけると木繊維が起き上がり目立たなくできます。
数年に一度は「ワックス掛け」を推奨!
数年単位では、仕上げの再塗装/再ワックスを検討し、無塗装・オイル仕上げのヒノキ壁なら2〜3年おきにオイルを塗り直すことをお勧めします。
またヤニ対策として、暖房機や日射が直接当たる面にはヒノキ板を避けることを推奨しています。
ヒノキ材でのデザイン事例
SPA&HOTEL水春 松井山手
▲SPA&HOTEL水春 松井山手(当社製品でのデザイン事例)
採用木材
- 桧(ヒノキ)
- ナララスティック
ヒノキが醸し出す高級感は、落ち着いた「和」のテイストを彩るのに最適です。色味自体も明るく落ち着いた印象を与えられるため、特に温泉や和食料理店などで多く利用されています。
その他にもリラックスを目的とした空間や、お部屋の広さを活かして、お部屋を広く見せる際にもうってつけです。
「今っぽい」和風な内装デザインなら“和モダンスタイル”
古くから建築物に使われてきた日本を代表する樹種という側面もあってか、ヒノキは和風デザインの内装によく使われています。
昔ながらの日本らしい造りももちろん素敵ですが、フローリングや椅子座といった現代の様式に織り交ぜたデザインにしたいなら「和モダン(ジャパンディ)スタイル」がおすすめです。
実際のデザイン事例や和モダンスタイルの特徴が知りたい方は以下記事もあわせてご覧ください。

和モダン(ジャパンディ)内装に最適な木材・デザインレイアウトを解説!
和モダン(ジャパンディ)スタイルの内装デザインとは? 和モダンスタイルとは、昔ながらの日本らしい造りに現代様式に織り交ぜた内装デザインで、別名「ジャパンディスタイル」とも呼ばれています。 フローリングや椅子座といった現代様式はそのままに、手軽に和な「落ち着き・品格」を取り入れられるデザインとして
内装制限がある中で“天然木材”を使うには
そもそも商業施設などの多くの人が利用する公共空間や、店舗の共用部では、建築基準法によって内装制限が設けられている場所があるため、原則として可燃性の材料である木材をそのまま壁・天井に使用することができません。
これは火災時の延焼を防ぎ、避難経路を確保するためです。
しかしそういった内装であっても「木の温もりを取り入れたい」「ナチュラルなデザインを実現したい」という設計士・デザイナーのこだわりは多いと思います。実際に当社でもこれまでたくさんの声を聞いてきました。
なぜ木材が使えない場所があるのか
建築基準法では、建物の用途や規模、高さなどによって、内装に使用できる材料に制限を設けています。特に、火災発生時に避難に時間がかかる可能性のある空間や、火災が拡大しやすい構造の建物では、壁や天井の仕上げ材に「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」といった、燃えにくい、あるいは燃えても煙や有毒ガスを発生しにくい材料を使用することが義務付けられています(内装制限)。
残念ながら天然木材のままでは、上記の認定材料には該当しないため、内装制限のかかる空間では使用範囲が限られてしまうのです。
当社の不燃突板は、「天然木の風合い」そのままに“不燃”を実現!
当社の不燃突板(ナチュラルボード)は、火山性ガラス質複層板に天然木突板を練付した「内装用不燃ボード」です。およそ0.2mmの天然木を貼り合わせることで、木材本来の「美しさ・肌触り」をそのまま残した不燃内装材を実現しました。
物販店・飲食店の壁をはじめ、キッチン天井やカウンターなどの“内装制限がある箇所”にも採用いただけます。
雰囲気に合ったおしゃれな内装木材はもちろん、木材ならではのデメリットも最大限に抑えた内装材をご提供していますので、ぜひ一度ご相談ください!
当社の手がける「不燃突板」については、こちらのページをご覧ください。
関連ページ:『当社の不燃突板について|株式会社オネスト・アンド・パートナーズ』
この記事を書いた人

Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。