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Kurumi

2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。

【設計士必見!】タモ材の特徴・経年変化や「不燃タモ材」の強みまで徹底解説!

図面やサンプルだけでは伝わりきらない“木の表情”。空間づくりの鍵を握る木材選びで、最後まで悩まされていませんか?

タモ材は、スキー板や野球バットにも採用されるほどの高い弾性と強度を備えつつ、均一で優美な木目と明るい色調で空間をやわらかく演出できる“オールラウンダー”な木材です!

本記事では、そのタモ材の特徴からメリット・デメリット、それからオークやアッシュとの違いまで詳しく解説していきます!

この記事を読めば、こんな悩みが解決します!
  • タモってどんな木材?
  • オーク、アッシュとの違いは?
  • タモはどういう所に使われてる?
  • タモのメリット・デメリットは?
  • 「内装制限(防火基準)」がある箇所でもタモは使える?

「タモ」ってどんな木材?

タモは、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹から採取される木材で、日本では本州の北中部や北海道まで、海外では主に中国、ロシア、朝鮮半島などと幅広い地域に生息しています。タモはその強固さと高い弾力性から、建材や家具としてだけでなく、スキー板やテニスラケット、野球バットなどのスポーツ用品にも使用されるほど、「頑丈さ」に長けた万能木材なのです。

しかし現在、林業の後継者が不足していることからも、国産のタモ材は減少傾向にあります。そのため主に中国産やロシア産のタモ材が使用される傾向にあるのです。

タモはどんな用途で使われる?

1:内装・建築(見た目と耐久性の両立)

タモ材は「見た目」と「耐久性」を同時に叶えてくれる内装木材として人気があります。

白みがかった柔らかな色合いとまっすぐ伸びる木目が光をほどよく散らし、ホテルのレセプションカウンターや高級住宅の壁面に穏やかな陰影を生み出します。

また気乾比重※が0.65前後と高密度なため、たとえばフローリングでもハイヒールなどの点荷重に耐えられ、商業施設のフローリング材としても定番になってきています。最近は曲面に貼れる圧縮タモ突板や不燃タモシートが登場し、カーブ壁や防火制限の厳しいラウンジでもデザイナーの想像を妨げません。

(当社の「タモ不燃突板」についても後ほど詳しく紹介します)

「北欧×和」を掛け合わせた“ジャパンディ”トレンドとも相性が良く、石や金属と組み合わせても温かみを失わない点も支持される理由です!

「気乾比重と強度の関係性」については、こちらの記事に詳しくまとめています!木材の強度を比較する際にぜひご覧ください!

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気乾比重とは 気乾比重(きかんひじゅう)とは、木材の重さを表す指標の一つで、気乾状態(きかんじょうたい)の無垢材と、同じ体積の水の重さと比較して求める値です。 具体的には、1立方センチメートル(㎤)の水の重さを1グラムとしたとき、乾燥した木材1㎤の重さが何グラムかを比率で表します。 気

2:スポーツ用品の”ギア”(粘りで飛距離を伸ばす)

タモ材の真骨頂は“しなるのに折れにくい粘り”です。

この性質から、たとえば野球バットやテニスラケット、スキー板、アイスホッケースティックなど衝撃をいなして復元力を返す”ギア”としてもよく採用されいて、原木1本から4〜6本しか取れない希少な“アオダモ製バット”は育成に60年以上を要します。

それでも大谷翔平選手がメジャーで使い続ける「アオダモ製のバット」で再注目され、打球とバットの接触時間が長いボールを運ぶ感覚が、プロを虜にしています。

粘り強さは体育館床材やボルダリングホールドにも応用が始まり、ウッドショック後も需要が途絶えない理由となっています。

オーク・ナラ材、アッシュ材との違いは?

ここからはタモに比較的よく似た「オーク材・ナラ材・アッシュ材」との違いを比較していきます!

ざっくり「見た目」でわかるポイント

「オーク・ナラ」との違い

まずオークやナラ(ブナ科コナラ属)は、柾目に“虎斑(とらふ)”と呼ばれる光の筋が現れるのが最大の個性。家具づくりの世界では「虎斑が出ると一段格上」とまで言われます。比重は0.65〜0.75とタモより重めで、手に取るとずっしり。

逆にタモは木目が整っていて、糸のように細い「糸柾(いとまさ)」という柾目(まさめ)と板目(いため)の中間的な模様が出やすく、スッとモダンにまとめたい空間で映えます。虎斑は出にくいので、柄が主張しすぎないのも特徴です!

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「ホワイトアッシュ・ヨーロピアンアッシュ」との違い

アッシュ材はタモと同じ「トネリコ属」ですが、アッシュ材の方が木目がさらに鮮烈です。板目をとると年輪が等高線のように浮き上がり、北欧インテリアのアクセントに使われることが多いです。

性能・手触り・経年変化での違い

木材 気乾比重 曲げ強度 経年変化 手触り
タモ 0.55-0.65 しなやかでバットにも◎ 黄味が増し蜂蜜色に なめらか
ナラ・オーク 0.65-0.75 高強度・重厚 茶系に深まる ややざらつき
アッシュ 0.60 前後 弾力が強く衝撃吸収 ほぼ色変化なし やや粗め

タモは“ほぐれない弾力”があり、野球バットやスキー板に採用されるほど衝撃に強い一方、ナラやオークはタンニンが多く水や酸に強いのでウイスキー樽やフローリングで長年支持されています。

内装デザイナー視点の“使い分け”
  • 温もりを出しつつライト&ナチュラルに仕上げたい
    ➡︎「タモ」の糸柾で面を広く使い、床・造作・家具をワントーンで統一!
  • クラシカルで重厚、素材感を主役に
    ➡︎虎斑の出る「オーク/ナラ」をポイント使い(框扉や見切り材)し、光が当たるたび陰影を楽しむ!
  • 北欧ミニマルで木目がアートに映える空間
    ➡︎「ホワイトアッシュ」の板目を壁一面に貼り、家具はメープルやスチールで”引き算”的なデザインを!

タモ材の特徴は?

均一で美しい木目

タモ材は、その均一でハッキリとした綺麗な木目が人気の理由となっています。木の根元から先端まで鮮明に描かれた木目は、ナチュラルでシンプルな家具や、住宅の床材や壁材として広く利用されています。

明るく優しい色合い

タモは明るく優しい色合いも人気の理由です。白味がかかった淡い色調を持つタモは、木の断面を見たときに樹皮に近い部分ほど、その色合いが顕著に現れます。一方、中心部はややくすんだ褐色をしており、このように木材の中で異なる色を持つことで、内装材などに加工された際に、美しいグラデーションを生み出すのです。

タモ材を採用するメリットは?

特徴1:耐衝撃性が高い

先にもお話した通り、タモはスポーツ用品にも用いられるほど強い衝撃吸収性を持っています。そのため住宅環境においては、床材や壁材としてタモを用いることで衝撃を軽減し、心地良い環境をつくりあげることができるでしょう。

またタモは淡いベージュ〜やわらかな茶色で、木目がまっすぐ整っています。

光を反射しやすいので、床・フローリングや壁に使うと部屋全体がワントーン明るく感じられますし、クセがない見た目だから、北欧風・和モダン・インダストリアルと、どんなテイストにも合わせやすいのが大きな魅力です!

特徴2:しなるのに折れにくいタフさ

タモは「たわむほどしなやか」と言われるほど粘り強い木です。上でも紹介したように野球バットやスキー板に選ばれるのは、衝撃を受けても折れずに元に戻るからです。

このタフさが内装でも頼りになり、フローリングや階段など荷重がかかる場所でも凹みや割れが起きにくい素材として重宝されています。

特徴3:シャープな仕上がりと豊富な加工法

硬い木なので切削後のエッジが欠けにくく、ドア枠やルーバーなど「ラインをピシッと見せたい」部材で威力を発揮します!

最近はタモを薄くスライスした突板シートも普及し、無垢材より手頃な価格でカーブ壁や不燃下地にも貼れるように。硬い木の弱点だった加工の難しさをカバーしつつ、デザインの自由度を広げています。

特徴4:他の木材と比較して、色合いの変化が少ない

木材というのは時間が経つほどに経年変化が進み、色味に味が出てきます。それらを楽しまれる方もいらっしゃいますが、いつまでも新品同様の美しさを保っていたいという方も多くいらっしゃいます。タモ材は他の木材と比較すると経年変化は控えめです。色彩の変化は穏やかで、数年経過した後にふと気づく程度の変化でしょう。

またタモ材は本来、グレイッシュで明るい色味の木材ですが、経年変化によって黄色がかった茶色へと少しずつ変化していきます。

特徴5:滑らかで心地のいい肌触り

タモ材はその滑らかな肌触りから、日常的に触れる床材や壁材として最適な素材です。そのため木材としての見た目だけではなく、使い心地を重視する方にもおすすめの木材となっています。

ただし塗装の種類や仕上げの方法によって、同じタモ材でも肌触りが異なることがありますので、なるべくイメージとのギャップを抑えるためにも、実際に手触りを確かめてみるのが良いですね!

タモを用いた複合フローリングについては、ぜひ下記ページもあわせてご覧ください!

関連ページ:『タモ材複合フローリング|木製内装材はオネスト・アンド・パートナーズ

導入前に読みたい|タモ材の「注意点・デメリット」は?

1:頑丈が故に、加工が難しい

タモはその頑丈さが故に、加工が難しい木材となっています。そのため壁材や天井材などのシンプルな内装材としては重宝されますが、模様を模したりデザイン性の高い形へと変形させることはかなり難しくなっています。

こうした向き不向きの特性をしっかり理解し、適所に活用することによって、タモ材の長所を最大限に引き出すことができるでしょう。

2:木材としての需要が高く、価格がやや高め

タモ材は特に日本の住宅において非常に人気の高い木材で、その需要の高さからも価格は割高となってしまうケースが多いです。内装材としての人気ももちろんですが、例えばテーブルや家具などの木材製品にも頻繁に利用されるため、やや高めの料金設定となっていることが多いのです。

内装材として利用する際には、無垢材として利用するのではなく複合板として、できるだけコストを抑えながらタモの色合いや肌触りを楽しむのもオススメです。

タモ材は経年変化する?

濃く変化するが、ガラッと変わることは稀!

タモ材は「経年で黄色味がわずかに深まる程度」といわれ、オークやチェリーのように劇的に飴色へ変わる木ではありません。

また経年変化による色の変色のほどんとが直射日光による「紫外線」なため、黄変をさらに遅らせたい場合は、直射日光を避ける、などが有効です。

メンテナンスは「空拭き」でOK!

ウレタン塗装品なら空拭きでOK。

汚れが落ちにくいときは食器用中性洗剤を薄め、拭いた後に必ず「水拭き→乾拭き」で洗剤分を残さないようにしましょう!またオイル仕上げ品は”水拭き厳禁”なので、半年~年1回を目安に蜜蝋ワックスや亜麻仁油系オイルを塗り重ね、撥水性を回復させるとGoodです。

もしシミが付いた場合でも表面をサンドペーパーで軽く研ぎ、再塗装すれば新品同様に再生できます!

内装木材を選ぶ際に見ておきたい「経年変化」についてはこちらの記事でまとめています!

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無垢材の「経年変化」について|内装木材でも強度・腐敗の心配はない?
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木材の経年変化とは、木材が環境によって風化することで、見栄えや特徴が変化することです。 どんな木材でも経年変化は起こるものですから、とくに内装に木材を採用する場合は「経年変化が発生するワケ」や「変化の度合い」も知っておく必要があります。 そこで本記事では木材の経年変化について、 そもそも

タモを用いた導入事例

事例①:USEN-NEXT HOLDINGS

USEN-NEXT HOLDINGS様内装デザイン USEN-NEXT HOLDINGS様内装デザイン USEN-NEXT HOLDINGS様内装デザイン USEN-NEXT HOLDINGS様内装デザイン

▲当社タモ材の導入事例(USEN-NEXT HOLDINGS)

事例②:ネッツトヨタ兵庫 姫路今宿店

ネッツトヨタ兵庫姫路今宿店のデザイン事例
ネッツトヨタ兵庫姫路今宿店のデザイン事例
ネッツトヨタ兵庫姫路今宿店のデザイン事例

▲当社タモ材の導入事例(ネッツトヨタ兵庫 姫路今宿店)

事例②:ネッツトヨタ兵庫 姫路今宿店

マンションエントランスへの当社不燃突板の導入事例 マンションエントランスへの当社不燃突板の導入事例

▲当社タモ材の導入事例(マンションエントランス)

明るく木目もハッキリとしているタモ材は、オフィスを明るく彩ったり、カーディーラーやマンションのエントランスのように少し高級感を醸し出したい場面にもうってつけの木材です。

さらにタモは他の木材との相性も良いため、壁材や天井材としてタモを利用しつつ、テーブルや椅子などには他の木材を用いても、違和感なくお部屋全体をデザインしてくれます!

内装制限がある中で“天然木材”を使うには

そもそも商業施設などの多くの人が利用する公共空間や、店舗の共用部では、建築基準法によって内装制限が設けられている場所では、原則として可燃性の材料である木材をそのまま壁・天井に使用することができません。

これは火災時の延焼を防ぎ、避難経路を確保するためです。

しかしそういった内装であっても「木の温もりを取り入れたい」「ナチュラルなデザインを実現したい」という設計士・デザイナーのこだわりは多いと思います。実際に当社でもこれまでたくさんの声を聞いてきました。

なぜ木材が使えない場所があるのか

建築基準法では、建物の用途や規模、高さなどによって、内装に使用できる材料に制限を設けています。

特に、火災発生時に避難に時間がかかる可能性のある空間や、火災が拡大しやすい構造の建物では、壁や天井の仕上げ材に「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」といった、燃えにくい、あるいは燃えても煙や有毒ガスを発生しにくい材料を使用することが義務付けられています(内装制限)。

残念ながら天然木材のままでは、上記の認定材料には該当しないため、内装制限のかかる空間では使用範囲が限られてしまうのです。

当社の不燃突板は、「天然木の風合い」そのままに“不燃”を実現!

オネスト・アン・ドパートナーズが販売する不燃突板。上から「表面保護塗装」「天然木突板(約0.2mm)」「火山性ガラス質複層板」「特殊紙」の4層構造で形成される。天然木突板によって天然木のオシャレさを保ったまま「不燃材」基準に合格。

当社の不燃突板(ナチュラルボード)は、火山性ガラス質複層板に天然木突板を練付した「内装用不燃ボード」です。およそ0.2mmの天然木を貼り合わせることで、木材本来の「美しさ・肌触り」をそのまま残した不燃内装材を実現しました。

物販店・飲食店の壁をはじめ、キッチン天井やカウンターなどの“内装制限がある箇所”にも採用いただけます。

雰囲気に合ったおしゃれな内装木材はもちろん、木材ならではのデメリットも最大限に抑えた内装材をご提供していますので、ぜひ一度ご相談ください!

当社の手がける「不燃突板」については、こちのページをご覧ください。

関連ページ:『当社の不燃突板について|株式会社オネスト・アンド・パートナーズ

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