クルミ材とは?ウォールナットとの違いや特徴・注意点を解説!

クルミ材とは?
胡桃(クルミ)はクルミ科クルミ属の広葉樹で、日本では「オニグルミ」や「シナノグルミ」などが知られています。色合いは辺材が灰白色で、中心部ほど深みのある落ち着いたミルクティーのような色合いをしています。
ウォールナットとの違い:色合いと質感
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クルミは英語で「(Wallnut)ウォールナット」といい、こちらも同じくクルミ科の広葉樹です。主な違いは「色」と「質感」にあります。
クルミは褐色の明るく優しい色合いが特徴で、家具にも合わせやすい“中間色”。
一方ウォールナット(主に北米産ブラックウォールナット)は、タンニンと呼ばれる成分の影響で黒に近い深いブラウン色を呈するのが特徴です。
つまり、明るくナチュラルな雰囲気なのがクルミ材、重厚で高級感のあるのがウォールナットと覚えていただくといいでしょう。
クルミの特徴
特徴1:柔らかく加工しやすい
クルミ最大の特徴は「柔らかさ」です。
かなり重厚感のある木材にも見えますが、実は柔らかく加工が簡単なため、内装材はもちろん家具や建具としてもよく使われます。
また同種のウォールナットと比較すると、クルミの方が“やや加工しやすい”というのも特徴です。
特徴2:乾燥時の割れ・反りが少ない
柔らかいにもかかわらず、割れ・反りに強い性質もあります。(「狂いが少ない」と表現することも)
これはクルミが乾燥による「収縮・膨張」を起こしづらく、温度や湿度の変化による寸法変化が小さいためです。
つまり加工がしやすいのはもちろん、加工したあとその形状を保ちやすいという点から重宝されているわけです。
クルミのデメリット
価格が高い(生育が難しいため)
クルミは高級木材とされていますが、その一番の要因は「そもそも採取が難しい」という点です。
まず生育が遅く、伐採してお客様のもとへ届けるまでには数10年以上かかってしまいます。またクルミに似たウォールナットであれば十分に栄養が行き渡るよう生育しようとすると、東京ドーム1個分の敷地を使っても“約10〜15本程度”しか伐採できないのです。
とても利用しやすく需要がある反面、供給が難しいという理由から高級木材として扱われています。
傷はつきやすい
割れ・反りなどの変形には強いものの、木材表面には傷がつきやすいです。
後から詳しく説明しますが、床材やテーブルなど日常生活で傷がつく恐れがある箇所に採用する場合は、木材表面への塗装(コーティング)を行うことを推奨しています。
【採用前に!】内装材で使う場合の注意点
ここからは設計デザイナーの方向けに、内装材にクルミを使う際の注意点を2点ご紹介します。
注意点1:フローリングには不向き
クルミは傷がつきやすいため、土足で上がる床・フローリングへの採用は推奨していません。(素足で上がる場所は問題ありません)
クルミは独特の木目・クリーム色が美しいですから、壁や天井など、比較的傷がつきづらく、かつ目に入る箇所に採用いただくのが最適です。
たとえば写真のように壁材にはクルミを採用しつつ、床材には無彩色のタイルやマットを敷いていただくと、よりおしゃれな内装デザインに仕上がります!
注意点2:色が薄くなりやすい(経年変化)
ウォールナットは深い色味へ変化するのですが、クルミ材はその逆で、徐々に明るくなります。
どんな木材でも色の変化(経年変化)は起こりますが、クルミはもともとが明るい色合いなため経年変化によって「色が薄くなった」と感じやすいです。
そのため色褪せの心配がある場合は、「塗装加工」を施すことを推奨いています!
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当社ではクルミの色抜けや傷防止として「塗装加工」を推奨しています。
当社では最適な木材のご提案はもちろん、こういった加工・塗装方法についてもご提案可能ですので、気になる点があればお気軽にご相談ください。
デザイン事例(当社製品による導入事例)
クリアトーレウイズプラス名古屋
内装制限がある中で“天然木材”を使うには
そもそも商業施設などの多くの人が利用する公共空間や、店舗の共用部では、建築基準法によって内装制限が設けられている場所では、原則として可燃性の材料である木材をそのまま壁・天井に使用することができません。
これは火災時の延焼を防ぎ、避難経路を確保するためです。
しかしそういった内装であっても「木の温もりを取り入れたい」「ナチュラルなデザインを実現したい」という設計士・デザイナーのこだわりは多いと思います。実際に当社でもこれまでたくさんの声を聞いてきました。
なぜ木材が使えない場所があるのか
建築基準法では、建物の用途や規模、高さなどによって、内装に使用できる材料に制限を設けています。(内装制限)
特に、火災発生時に避難に時間がかかる可能性のある空間や、火災が拡大しやすい構造の建物では、壁や天井の仕上げ材に「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」といった、燃えにくい、あるいは燃えても煙や有毒ガスを発生しにくい材料を使用することが義務付けられています。
残念ながら天然木材のままでは、上記の認定材料には該当しないため、内装制限のかかる空間では使用範囲が限られてしまうのです。
当社の不燃突板は、「天然木の風合い」そのままに“不燃”を実現!
当社の不燃突板(ナチュラルボード)は、火山性ガラス質複層板に天然木突板を練付した「内装用不燃ボード」です。およそ0.2mmの天然木を貼り合わせることで、木材本来の「美しさ・肌触り」をそのまま残した不燃内装材を実現しました。
物販店・飲食店の壁をはじめ、キッチン天井やカウンターなどの“内装制限がある箇所”にも採用いただけます。
雰囲気に合ったおしゃれな内装木材はもちろん、木材ならではのデメリットも最大限に抑えた内装材をご提供していますので、ぜひ一度ご相談ください!
当社の手がける「不燃突板」については、こちのページをご覧ください。

不燃ボード(不燃木材)とは?特徴から選ぶ際のポイントまで徹底解説!
不燃ボード(不燃木材)って何? 不燃ボード(不燃木材)とは、その名の通り「燃えにくい木材」のことを指し、近年では火災が起きにくい優れた木材として様々な建物に利用されています。 例えば、これまでは飲食店などの火を扱う店舗などでは、「内装制限」によって火災の可能性があるとして木材を使用するのを避ける