無垢フローリング傷は「再研磨」で補修できるって本当?削り直しが“最終手段”と言われる理由を解説
無垢フローリングの導入を検討されている方であれば、
- 無垢フローリングにしたいけど、傷ついたらどうなるのか
- 「再研磨」ができるから安心と聞いたが本当なのか
- 費用や手間はどのくらいなのか
と気になっている方も多いと思います。
無垢フローリングの大きな特徴のひとつが、傷んだ表面を削って再生できる「再研磨(削り直し)」です。
ただし、これは日常ケアや傷補修では対応しきれなくなったときの“最終手段”であり、そこに至るまでにできることはたくさんあります。
この記事では、無垢フローリングの再研磨とはどういうものか、どんな状態になったら必要になるか、そして再研磨できる床かどうかの確認方法を整理します。
・床の“再研磨”とは何か、なぜ最終手段なのか
・万が一必要になったときの判断サイン
・再研磨できる床かどうかの確認方法
この記事を書いた人
Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。
無垢フローリングの「再研磨」の基礎知識
「再研磨(削り直し)」とはどんな作業?
無垢フローリングにおける再研磨(サンディング・削り直し)とは、フローリングの表面層を機械で薄く削り取り、素地(白木)の状態に戻してから再塗装を行う、再生メンテナンスのことです。
1回の研磨で削る厚みは約0.8〜1mm程度で「表面だけを薄く削る」イメージです。改善が見込める症状としては、浅い傷の蓄積、くすみや塗膜の摩耗、表面の毛羽立ちやざらつきなどがあります。
なお「削って終わり」ではなく「再塗装まで含めて完了」というのが基本です。
【注意】再研磨は、あくまで“最終手段”
ここで一点、知っておいていただきたいことがあります。
再研磨は表面を「削る」作業なので、当然ですが床の厚みが少しずつ減ります。一般的な無垢フローリングで、研磨できる回数は2〜3回程度が目安です。つまり頻繁にできる手入れではありません。
また日常のオイル再塗布や部分的な傷補修とは、役割が全く異なります。
再研磨は面全体をリセットする最後の手段であり、傷が1本入るたびに行うようなものではありません。
無垢フローリングのメンテナンスの基本は、あくまで日常の乾拭き・掃除機・オイル補給です。再研磨はその先に、どうしても状態が戻らなくなったときの選択肢として頭の片隅に置いておく程度で十分です。
日常ケアや傷補修の具体的な方法・頻度については、別記事で詳しく解説しています。まずはこちらをご確認ください。
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「再研磨」が必要な症状ってどんなもの?
日常ケアや傷補修を重ねても状態が戻らない場合が稀にあります。そういうときに初めて「再研磨が必要かどうか」という判断が出てきます。
判断の基準は年数ではなく「今どんな症状が出ているか」です。ここでは、再研磨を考えるサインと、逆に再研磨でも戻らない状態の2つに分けて整理します。
再研磨を検討するサイン
最もわかりやすいのが「塗膜の状態」です。
塗膜がまだ残っているなら清掃と軽いサンディングで補修できることが多く、塗膜が摩耗して白木が露出してきた状態は全面サンディングと再塗装を検討するサイン。
以下のチェックリストで、自分の床の状態を確認してみてください。
- 乾拭き・掃除機をしても、取れないくすみや黒ずみがある
- オイルを塗り直しても、表面の艶や質感が戻らない
- 塗膜の剥がれや摩耗が広い範囲に広がっている
- 細かい傷が全体に積み重なり、表面が全体的に荒れている
- 表面にざらつきや毛羽立ちがある
これら「すべてに当てはまる+どうしても気になる」というようであれば、再研磨を検討いただくタイミングとなります。
また、「変色・黒ずみ・ひび割れ・膨れ」のような症状が出ている場合は、劣化ではなく、水分が多い清掃が原因になっていることも少なくありません。
もし変色のような症状が出はじめたら、再研磨ではなく「清掃方法の見直し」を行いましょう。
再研磨ではなく「張り替え」が必要なケース
再研磨は万能ではありません。「削れば何でも戻る」と考えると、かえって床を傷める原因になるので注意してください。
再研磨(削り直し)はあくまで「表面を薄く削る」作業ですので、床の構造的な問題や深部のダメージには対応できません。以下に当てはまる場合は、再研磨であっても改善が難しい状態です。
- 深い割れ、大きな反りや歪み
- 水による広範囲の変形・腐食
- 深部まで浸透したシミ
- 下地問題が疑われる大きな隙間や床の過度な動き
こうした症状がある場合、部分交換と全体の研磨を組み合わせるか、張り替えを検討することが必要です。(ただし上記のような症状が起こるのは非常に稀です)
「削って直せるかどうか」で迷う場合は、自己判断で進めず専門業者に状態確認を依頼することをおすすめします。
ご自身の判断で削ってしまうと、状態が悪化して取り返しがつかないケースもあります。判断に迷ったら、まず“確認”を優先してください。
「再研磨ができる床か?」の確認も大切!
専門家の判断も踏まえて、メンテナンスではどうにもならない傷であることも少なからずあります。ただし「その床が再研磨できる床かどうか」は別の問題です。
再研磨は「無垢フローリング」だけ!(複合は原則できない)
無垢フローリングは天然木の一枚板のため、表面を削る再研磨がしやすい構造ですが、複合フローリングは基材の上に薄い天然木を貼り合わせた構造で、表層の厚みに限界があります。
そのため塗膜を除去するためにサンディング(研磨)を行うと表面材ごと削ってしまうリスクがあります。
無垢フローリングだからこそ、再研磨という最終手段が使えるのであり、これが「無垢は長く使い続けられる」という価値のひとつにもなっています。複合とは“根本的な構造が異なる”ということを覚えておきましょう。
見た目だけで判断するのが難しい場合は、仕様書や品番で確認してください。それでも分からなければ購入先や施工会社に問い合わせてください。
無垢と複合の違いについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
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研磨できる回数は床の厚みと研磨歴で変わる
繰り返しにはなりますが、再研磨は何度でもできるわけではありません。床材の厚みと過去の研磨歴が判断の鍵になります。
冒頭でもお話したように、一般的な厚さの無垢材であれば、2〜3回程度のサンディングが可能とされています。1回の研磨で削る厚みは約0.8〜1mm程度。
ただし「何回できるか」は、施工者の技能・使用機械・床の平滑性・過去の研磨歴など複数の要因でも変わります。
【補足】「自己流での研磨」は避けるようお願いします
再研磨というのは原則、専用の「研磨機」によってプロが行うことが推奨されます。
稀に研磨ペーパーなどを使用してご自身で削られる方もいらっしゃいますが、表面だけを均等にかつ、非常に薄く削るとなると、基本的にはご自身で行っていただくことは難しく、業者への依頼が必須となります。
また研磨後は、削れてしまった保護膜を付け直すための「仕上げ塗装」などの作業も必要となります。
ご自身で進めてしまう前に、まずは施工業者に確認いただくようお願いします。
当社で無垢フローリング材をご購入いただいた方には、メンテナンス業者とお繋ぎすることが可能ですのでご安心ください。
業者に依頼する場合:再研磨はどんな流れで進む?
先ほどもお話したように、再研磨は「床を削って終わり」ではありません。
ここでは、仮に業者に再研磨作業を依頼する場合、具体的にどのような工程で進んでいくのかをわかりやすく解説していきます。
STEP 1|現状確認
まずは「そもそも削り直せる床なのか/研磨できる状態かどうか」を確認します。
チェックするのは、床材が無垢か複合か、塗装の種類(オイル・ウレタン・UVなど)、床の厚みと過去の研磨歴、そして損傷の範囲です。
この確認を省いて研磨に進むと、削り過ぎたり、塗装の相性トラブルが起きたりするリスクがあります。
STEP 2|養生
研磨機を使う前に、壁の巾木・建具・家具などを傷や粉じんから守るため、マスキングテープや養生シートで保護します。
研磨時に発生する木くずや塗膜の粉じんは細かく飛散するため、養生が不十分だと床以外の部分にも粉じんによる傷の影響が出てしまいかねません。
特に換気口や空調機器の近くは粉じんが入り込みやすいため、しっかりふさぎます。
STEP 3|再研磨工程(削り直し作業)
専用のサンダー(研磨機)を使って、表面を薄く均一に削り取り、古い塗膜や汚れを除去して素地(白木)の状態に戻します。
ここで注意したいのが「状態と工法のミスマッチ」で、塗膜がまだ残っている段階で“全面研磨”を行う必要はありません。
この辺りは研磨業者も現状確認を行った上で進めるケースがほとんどですが、万一の削りすぎ(無駄な研磨)を防ぐためにも『全面研磨を行うべきか?』は事前に確認しておくことがベストです。
STEP 4|粉じん除去・清掃
研磨後、床面に残った木粉・塗膜粉を徹底的に除去します。
掃除機での吸引に加え、ウエスや粘着ローラーで細かい粉じんを丁寧に拭き取るのが基本です。また、湿気や含水率が高い床は、この段階で一度乾燥させてから次の工程に進む必要があります。
STEP 5|仕上げ塗装(必ず実施すべき工程)
素地の状態に戻った床に、塗装を施します。
以下に関連記事がありますが、フローリングに限らず、内装用木材は原則「無塗装のまま」の利用は禁物です。
塗装されていない木材というのは、人間で言えば「素肌」の状態です。乾燥や紫外線から守られなければ肌が荒れてしまうように、木材も過酷な環境に直接さらされ続けると美しさや機能性を損なってしまいます。
塗装が施されていない木材は、スポンジのように空気中の湿気やこぼした水分を吸収してしまい、シミやカビ、さらには木の反りや割れといった変形の原因になり、紫外線は木材の色を褪せさせ、表面を劣化させてしまうのです。
また塗装の種類は元の仕様に合わせるのが基本で、オイル塗装なら同系統のオイル、ウレタン塗装なら対応する塗料を選びます。
これまでと異なる塗装種別を混用すると、色ムラやベタつき、密着不良の原因になることがあります。また業者向けの専門的な内容にはなりますが、1回で厚塗りするより薄く重ね塗りするほうが、乾燥ムラが出にくく仕上がりが安定します。
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無垢フローリングの再研磨でよくある質問
Q. 再研磨の費用はどのくらいかかりますか?
再研磨の費用は、床の面積・塗装の種類・損傷の程度・業者によって大きく異なります。
費用の見当をつけるには、まずは業者に現地確認を依頼して見積もりを取るようにしてください。
Q. DIYで再研磨はできますか?
技術的には可能ですが、おすすめはしません。
研磨機のかけ方にムラが出ると、床面に波打ちやへこみが残ることがあります。また当然ですが、減ってしまった木材を元に戻すことはできませんから、まずは専門業者に相談して現状を確認してもらうようにしてください。
Q. 再研磨後、塗装は元と同じにしないといけませんか?
基本は元の塗装仕様に合わせることをおすすめしますが、このタイミングで塗装を変更することも可能です。
ただし、異なる塗装種別への変更は相性問題が生じる場合があるため、こちらも施工業者に事前確認が必要です。
たとえばオイル塗装からウレタン塗装に変えると、日常のケア方法も変わります。「この機会に仕上げを変えたい」という場合は、変更後のメンテナンス方法も含めて確認しておきましょう。
Q. 再研磨後、床はすぐに使えますか?
塗装の種類によりますが、塗装直後はすぐに歩行や家具の移動はできません。
表面が乾いて見えても、内部の硬化には数日かかる場合があります。施工業者から指示された養生期間をしっかり守ることが、仕上がりを長持ちさせるうえで重要です。
特にウレタン系塗装は硬化に時間がかかるものが多いため、ご自宅はもちろん、店舗フローリングなどを削り直す場合は余裕を持ったスケジュールで計画しましょう。
まとめ:再研磨は「最終手段」、まずは正しいメンテナンス知識をつけましょう!
日常ケアや傷補修で対応できる状態を超えたとき、初めて“再研磨”を検討するタイミングになります。
この記事のポイント
- 再研磨は最終手段!基本は日常ケアと傷補修で十分
- 日常ケアを続けても状態が戻らないとき、初めて再研磨を検討する
- 再研磨ができるのは無垢フローリングならではの強み
もちろん「再研磨することで、末長く楽しめる」というのが無垢フローリングの強みではありますが、間違ったメンテナンスを行ってしまうと、返って床の寿命を縮めかねません。
まずは“正しいメンテナンス知識”をつけていただくことが大切になります。
“天然木ならでは”の機能性を、最大限に活かしたデザインを。

フローリングは『空間体験そのもの』を左右する要素のひとつです。内装を一層おしゃれに仕立てる天然木フローリング。木材はデザインだけでなく、調湿性や強度、肌触りなど合成素材にはない魅力がたくさん詰まっています。
木材の“ほんの僅かな違い”を知って、納得いただいてから導入いただきたいと考えています。
当社ではご注文前にフローリング商品の「無料サンプル」もご請求いただけますので、樹種選びのご相談から無料サンプル(5点まで)のお取り寄せまで、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※法人向けの取引中心のため、個人・施主様はデザイン事務所や工務店を通してのサンプル依頼をお願いいたします。
当社の提供する天然木フローリングの特徴については、ぜひこちらのページもあわせてご覧ください。
関連ページ:『当社の天然木フローリングについて』
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2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。