「突き板」と「挽き板」の違いは?内装木材を検討する前に知っておきたいこと
内装材のカタログでよく見かける「突き板」と「挽き板」。名前が似ているうえに、写真ではどちらも本物の木に見えるので、何が違うのか分かりにくいと思います。
違いをひとことで言うと「天然木の厚み」です。
この記事では、それぞれの構造の違いから、名前の覚え方、使い分けの考え方まで説明します。
- 突き板と挽き板は、何がどう違うの?
- どっちだっけ…とならない名称の覚え方
- 挽き板/突き板の使い分けの考え方
この記事を書いた人
Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。
「突き板」「挽き板」とは?

突き板と挽き板は、どちらも天然木を加工した表面材ですが、使用される場所や用途が異なります。
「突き板」は壁面や天井、什器や家具などの表面材として使用されるもので、基材となるベニヤ板や合板(MDF)などに貼り合わせて使用します。このように仕上げたものを「化粧板」と呼び、壁面パネルや天板など、さまざまな用途で利用されます。
一方「挽き板」は主に複合フローリングの表面材として利用されるものです。合板などの基材に挽き板を貼り合わせることで複合フローリングとして使用できるようになります。
突き板・挽き板の違いは「厚み」
「突き板」と「挽き板」の大きな違いは、表面に使われる天然木の「厚み」です。
ここからは「厚みの違い」について詳しく解説していきます。
突き板(薄い方):0.2mm〜0.3mm程度

専用の機械で0.2mm〜0.3mm程度に薄くスライスした天然木を「突き板」といいます。
もともとノミなどの道具で木を「突き削る」ようにして作っていたことから「突き板」と呼ばれるようになりました。
突き板最大のメリットは『無垢材に比べて、反り・収縮が少ない』点が挙げられます。
無垢材のような一枚板は、湿度や温度変化によって反りや収縮が生じる場合があります。これは木材の呼吸や調湿性によるもので天然木ならではの“良さ”でもあるのですが、懸念点として挙げられることもあります。
一方で突き板の化粧板は、天然木の部分が薄いのに加え、土台となる基材も反りに強いため、施工後の安定性が高いです。そのため壁や天井、内装仕上げ材、家具、什器など幅広い場所で使用されています。
当社製品ナチュラルボードも「突き板」を使用しています

近年、天然木を使ったナチュラルな内装が人気を集めていますが、木材は規定の内装制限(耐火性)を担保できないケースも多く、『木材以外を使わざるを得ない…』という設計士の声もこれまで数多く聞いてきました。
そんな想いで生まれた当社の「不燃突板(ナチュラルボード)」。
こちらも突き板をベースにしつつ、基材に不燃性の火山性ガラス質複層板を採用することで、木材本来の「美しさ・肌触り」をそのまま残した不燃内装材を実現しました。
挽き板(厚い方):2mm〜4mm程度

ノコギリで木を挽(ひ)くように切り出した天然木を「挽き板」といいます。厚みは2mm〜4mm程度で、突き板と比べると10倍近くの厚みがあります。実際の製法も回転するノコギリの刃で「挽いて」切り出して作ります。
挽き板の特徴は『無垢材に近い質感』であることです。表面の天然木に厚みがある分、木目に深みが出やすいです。
また冒頭でお話した通り「厚い」とはいえ、挽き板もスライスしたままの状態では使えません。突き板と同じように合板などの基材に貼り合わせて使用します。
【木材コラム】迷った場合は「作り方」を思い出すのがおすすめ
ここまで突き板・挽き板の違いを解説してきましたが『どっちが厚いんだっけ…?』と思い出せない場合もあるかと思います。そんなときは「作り方」を思い出していただくと良いと思います。
上でも紹介したように「突き板」はノミで“突いて”削り出していた板。カンナ屑のように薄くスライスされた木材です。
一方「挽き板」はノコギリで“挽いて”切り出す板。大工さんが木材をギコギコと挽く姿を想像すると、出てくるのは厚みのある板ですよね。
このように『突く=薄い』『挽く=厚い』と作り方をセットにしておくと、名前と厚みが自然と結びつくのでおすすめです。
「突き板」と「挽き板」の使い分けの考え方
突き板・挽き板はどちらが優れているという話ではなく、それぞれの用途に向いている箇所が異なります。ここからは当社の使い分けの考え方を、理由とセットでご紹介します。
壁や天井には、軽くて施工しやすい「突き板」を推奨

壁や天井は床と違って、大きな摩擦や衝撃が加わることが少ない場所です。床ほどの傷への強さは求められず、それよりも「軽さ」や「仕上がりの美しさ」が問われます。
突板化粧板は一本の銘木から多くの突板を採取することができ、天然木の美しい木目や質感を活かしながら木材資源を効率的に活用できる素材です。
無垢板や挽き板と比較して限られた木材資源を有効に利用できることから、経済性に優れているとともに、サステナビリティの観点からも採用されることの多い商品です。
先ほどご紹介した当社のナチュラルボードも、この「軽さ×デザイン性」という突き板の強みを、壁・天井向けに活かした製品です。
複合フローリングには厚い「挽き板」を使用

店舗やオフィスの床は、不特定多数の人が歩き、什器やキャスターが動く場所です。歩行による表面の摩耗や、物を動かすときの傷も受けます。ここで挽き板ならではの「厚み」が活きます。
厚みがあるほど踏んだときの質感も無垢材に近づきますし、万が一傷がついてしまった場合も、表面の木材が捲れ上がってしまうリスクも低いです。当社が突き板ではなく、挽き板の複合フローリングをメインに取り扱っているのも、こういった理由からです。
また床材(フローリング)選びでは、天然木を一枚板のまま製材した無垢フローリングという選択肢もあります。無垢材と複合材の違いは、別記事で詳しく解説しています。
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なお突き板も挽き板も、表面は“本物の天然木”ですので使い込みによって少しずつ経年変化が起こります。木の経年変化については、別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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まとめ|構造を正しく理解して、おしゃれな内装設計を叶えるために

最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 突き板・挽き板は、基材の表面に貼る“天然木の部分”の呼び方
- 突き板は、ノミで“突いて”削っていた薄い板(0.2mm〜0.3mm程度)。軽くて反り・収縮が起こりにくく、壁・天井から家具まで幅広く使われる
- 挽き板は、ノコギリで“挽いて”切り出す厚い板(2mm〜4mm程度)。無垢材に近い質感が持ち味
- 「どちらが優れている」という関係ではない
内装を一層おしゃれに仕立てる天然木材。木材はデザインだけでなく、調湿性や強度、肌触りなど合成素材にはない魅力がたくさん詰まっています。
もちろん今回解説したような、構造の違いも重要ですが、私たち専門家としては、木材の“ほんの僅かな違い”を知って、納得いただいてから導入いただきたいと考えています。
当社ではご注文前に内装木材の「無料サンプル」もご請求いただけますので、樹種選びのご相談から無料サンプル(5点まで)のお取り寄せまで、ぜひお気軽にお問い合わせください。
法人向けのお取引が中心のため、個人・施主様はデザイン事務所や工務店を通してサンプルをご依頼くださいますようお願いいたします。
この記事を書いた人
Kurumi
2021年入社 / 埼玉県出身 / “他社で断られたデザインを叶える”をモットーに「デザイン×コスト」を踏まえた最適な提案を得意とする。個人で動画制作を行うなどクリエイターとしての一面も。